1985年までに達成を呼びかけた国際婦人年世界行動計画は、いろいろな意味で、1つの国際的な到達点であると思います。
行動計画は、あらゆる分野において婦人の平等・発展にむけての計画と、克服すべき課題を指摘していますが「政治参加」「雇用および関連の経済活動」の項において、労働組合活動にも言及しています。
日本の労働組合運動の現状からみれば、かなり大胆な方策をとらないかぎり、計画は達成できないでしょう。
「生休取得率は職場民主化のバロメーター」かつてよくつかわれたスローガンです。職場で婦人の権利行使が難しければ、一般の権利行使もすすまないということでしょう。
今、この婦人の権利が「平等」を口実に根こそぎともいっていいほど、奪われようとしています。
「平等をいうならすべて男性なみに」とする政府や財界のゴリ押しに、婦人たちは、いや労働組合は、どう反撃したのでしょうか。
1984年4月14日、日比谷野外音楽堂で「労基法改悪反対、実効ある雇用平等法を求める4・14中央総
決起集会」が開催され、全国から7000名を越える婦人が集まりました。
集まった婦人たちの胸のなかは、労基法改悪を押しすすめようとする政府・財界への怒りと、一方で、既存のナショナルセンターや労働組合運動が労基法改悪反対を明確にかかげた運動にとりくんでいないなかで、さまざまな困難、条件を克服して、自らの手でやりあげたという爽快感、たたかう婦人の連帯感が漲っていたと感じたのは、私だけではないでしょう。
世界行動計画は、「・・・・・・われわれの世代においては、婦人の役割は、強力な社会変革の勢力としてますます台頭していくであろう」と指摘しています。
社会の民主的変革をめざしている労働組合が、婦人の民主的エネルギーを引きだすことなくして、労働組合運動の未来はたかがしれています。
労働戦線の再編とあいまって、労働運動の民主的再編成の論議がかわされています。
婦人労働者、労働組合婦人部がどのように位置づけられているのか、逆にいえば、婦人部が与えられた運動でなく、自らの要求に根ざした運動を自らの手でつくりあげ、それを全体の課題にさせていく力をつけていくことが、もとめられているのではないでしょうか。