こんばんわ、今年も春を迎えるこの時期に、国際婦人デーをこのように盛大に開催できたことは、大阪の女性の心意気とたたかうエネルギーを示したといえるのではないでしょうか。
33の団体が参加した本集会の実行委員会を代表してごあいさつを申し上げます。
1910年、国際婦人デーが世界的とりくみとして提起された、コペンハーゲンでの第2回国際社会主義婦人会議の決議には、「第1に国際婦人デーは単に婦人だけでなく、自国の労働者階級を代表する政治組織や労働組合組織といっしょに行われること。第2に、国際婦人デーが婦人選挙権問題をはじめとする、あらゆる婦人問題にわたる要求をとりあげるように指示し。第3に、国際連帯のもとに行われるべきである」としています。
この国際婦人デーの原点から今日の日本の状況を、女性の視点で検証すれば、今日の長引く不況現況に追い打ちをかけた、消費税の引き上げ、医療改悪のなかでくらし全般が危機にさらされています。
銀行の貸し渋り倒産が相次ぐなか、国民負担による30兆円の銀行支援など、官僚と大銀行・大企業の癒着のなかで逆立ちした政治が横行しています。
規制緩和の大合唱で農産物の輸入自由化で日本農業が破壊され、大店舗の出店による小売商店への圧迫が作りだされ、労働者には労働法制の全面改悪が押し付けられようとしています。
世界に目をむければ、イラクへの軍事的恫喝、イタリアでの戦闘機の低空飛行によるスキー場のリフト切断事故など軍事大国アメリカの傍若無人さが横行しています。こうしたアメリカの暴挙にイエスマンを続ける日本政府の異常さも際立っています。
この、経済的危機、平和への危機は国際婦人デーがはじまった第1次世界大戦前夜を想起さます。
そして、80年前の世界大恐慌のなか、日本では、米価の高騰のため生活に苦しんだ富山県魚津の漁村の女性が立ち上がった「コメ騒動」は、労働者・農民を主力とする未曾有の全国民的運動に発展し、ときの寺内内閣が倒れました。
いつの時代も女性のたたかうエネルギーは政治を変える力となりました。
昨年の140国会での女子保護廃止反対のたたかいは、今日をして「女子保護廃止やむなし」としていた連合を「労働法制改悪反対」の戦列に引き入れるまでにいたりました。
横山府政の「老人医療助成制度の改悪」にたいして府下44の自治体のうち39の自治体が反対決議をあげるなど府民的運動はおおきく前進してきています。
80年前そして50年代の反動攻勢と1980年代の戦後第2の反動攻勢期との違いは、昨年の総選挙以来、東京都議会選挙での共産党の躍進、さらには住民の大きな共同のなかでの京都・城陽市や兵庫県・黒田庄町と民主的自治体建設の新しい流れが大きな潮流となってきていることです。国民の中に大きな政治的変革が胎動してきています。
行動綱領やNGO北京宣言は、
「私たちは、子供たち、孫たち、そして未来の世代の人々を、心にいだきながら、人類全体そして変化の担い手としての若者との連帯の精神をもって、これらの変化を追求する。私たちは、女性がこの地球のあらゆる、ことがらへの全面的で平等な参加を達成すれば、平和が実現し、すべての個人の幸福が保障されると確信する」
と高らかに宣言しています。
人権・平和が輝く21世紀へ。私たちの運動とたたかいは、私たちの人権を守るたたかいだけでなく、国際婦人デーの歴史が示しているように、次の世代の人達、子供たちの平和と人権を守るたたかいです。
人が人たるに、値する生活を! 女性の権利は人権である!
この叫びを要求に束ね、国際婦人デーの新たな歴史の1ページを作りだしていきましょう。
今日1998年3月6日を皆さんの知恵とエネルギーと、そしてたたかいの経験によって大阪集会を成功さしていただき、今日の成功をバネに、運動の大きなうねりと飛躍をつくりだしていきましょう。
最後に、後程、記念講演いただく畑田重夫さん、パントマイムを演じていただく松井朝子さん、先程までの舞台を作り出していただいた参加者のみなさん、集会準備にご尽力いただいた実行委員の皆さん、そして本集会の成功におおきなエネルギーを発揮していただいた参加者の皆さんにお礼をもし上げ実行委員会を代表してのあいさつといたします。